旅もすべておくりあわせ 副教会長
3月末、開教100年祭でお世話になった若松教会と福岡高宮教会に参拝させていただくべく、九州方面に向かいました。両教会の歴史や地域社会に向けての活動についてのお話などをうかがい、また教会施設を案内していただき、感銘を受けました。若松教会では丁度ご信者さんたちが集まってバザーの準備をされていて、その様子を拝見しました。そして、門司港や関門海峡等案内していただき、本当に楽しくありがたい時間を過ごすことができました。
最終日、福岡から高速バスで長崎に向かいました。長崎滞在時間は6〜7時間ぐらいでしたので最初は市内観光をと思って計画を立てていました。異国情緒漂う名所がたくさんありますし、平和公園で祈りを捧げるという願いもありました。しかし一週間ほど前に教会長が軍艦島クルーズの空きが奇跡的にあることを見つけ、申し込むかどうか悩みました。軍艦島クルーズに申し込むと市内観光はあきらめないといけないし、天候によっては中止になるかもしれません。船酔いの不安もありました。色々考えるとマイナスの事ばかり浮かんできてしまいます。「こういう時は流れにまかせるのが一番」と思いかえをして申し込むことにしました。
当日軍艦島に近づき視界に入ってくると、なんとも言えない気分になりました。バーチャルの世界にいるような現実の世界ではないような、言葉は悪いかもしれないのですが異様な感じがしました。長崎県から上陸許可が出るのを待つ間船は軍艦島の周囲をぐるっと回り、軍艦島と呼ばれる由縁となった軍艦「土佐」に似ているように見える場所に、少しの間停泊してくれました。それでも異世界にいるような感じはそのままでした。
その後上陸許可がおり、無事上陸させていただきました。見学できるところはほんの一部でしたが、船長さんのガイドを聞かせていただいていくうちに「確かに人が生活していた、ここでの人たちの生活・仕事があって今の私たちがある」ということを感じることができました。物理的にみれば埋め立て地に廃墟があるだけかもしれません。しかし日本の石炭産業の歴史の一端を感じることができて本当にありがたかったです。
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